ノベルる

Truth&Lie 第二話

☆流星☆作
わからない・・・

思い出せない・・・

それなのに・・

いつの間にか

何かが動き出していた・・・






         ・・・――――




何・・?



                          ―――――――めて・・・


誰・・・?



                 ワタシハ・・・・






              


















                    アナタ・・・
















「っ・・・また、あの夢・・・」

最近、同じ夢を見る

私の中に居るもう一人の私と話をしている

でも、目が覚めれば何を話したのかどんな姿なのか、すべてが思い出せなくなってしまう

なぜか分からない

毎回同じ話をしている気がするが、全く記憶に無い

ぼーっと考えていても仕方ない

あまり考え込んでしまうと、周りが見えなくなって守奈ちゃんたちに心配をかけてしまう

守奈ちゃんはもちろんのこと、意外にも(と言っては失礼だが)蓮音ちゃんも勘がいいからすぐに気づかれてしまう

そんな事を考えながら着替えていると、ノックをして守奈ちゃんが入ってきた

「琉依、は起きてると」

「おはようございます」

「おはよう、琉依は偉いね〜。どっかの誰かさんなんて十七にもなって一人じゃ起きられないってのにさ〜」

それは多分、蓮音ちゃんの事だろう

そんな事を思いつつ、丁度着替えが終わったので守奈ちゃんと一緒にリビングに降りる

「琉依、先に食べてていいよ。テーブルの上においてあるから、紅茶でいいんだよね」

「はい。ありがとうございます」

守奈ちゃんは、優しい

蓮音ちゃんはそんなことは無いって言ってるけど、確りしてて頼りになって・・・

とってもいいお姉さんだ

一口二口朝ごはんに口をつけていると、とっても眠そうな蓮音ちゃんが降りてきた

「おふぁふぉ〜(おはよ〜)」

「お、おはようございます」

蓮音ちゃんは、毎朝こんな感じだ

特別、朝に弱いわけではないらしい

守奈ちゃん曰く「夜遅くまでゲームだの何だのしてるから朝起きられないのよ」だそうだ

「まったっく・・・。ほら、もっとしゃきっとしなさい」

「ん〜・・・」

今日は一段と眠そうだ

「大丈夫ですか?蓮音ちゃん」

「ん〜・・・」

「琉依、気にすること無いよ。どうせ昨日も夜更かしてたんだろうし・・・。ほら、コレ飲みな」

「っ!か、守奈ちゃん?!そ、それは・・・」

守奈ちゃんが取り出したのは・・・飲めば殆どの人が一発で目が覚めるような・・・おなじみのあの飲み物

「ん〜」

寝ぼけている蓮音ちゃんは自分が飲む物さえちゃんと理解していないと思う

その証拠に、持っているコップを受け取りなかのモノを一気に飲み干した

「っごほ!ごほっごほっ!ちょ、ちょっと何飲ませたのよ?!」

案の定、蓮音ちゃんは思いっきりむせこんでしまい、しばらく咳が止まらなかった

「何って『守奈ちゃん特性、野菜たっぷり栄養満点ジュース(激ニガ)』だけど、何か問題ある?」

「もっと率直にまずい青汁って言えよ!大体、朝からこんなもん・・・人の事殺す気か?!」

「あら失礼ね、生活リズムの崩れてる分を補えるように今日は腕によりをかけて美味しく作ったのに」

「どこがだ!?どっちかっていうと罰ゲームだよ!」

「じゃあ、朝一人で起きられなかった罰ゲーム」

「『じゃあ』ってなに?!そんな簡単に変更できるほど心こもってなかったわけ?!」

「文句があるなら一人で起きなさいよ。起しに行くこっちの身にもなって見なさい」

「あんなもん朝から飲まされるこっちの身のもなれよ」

「なんか言った?」

「イイエ、ナンデモアリマセン」

朝の言い合いでは、いつも守奈ちゃんが勝つ

朝いつもこんな感じ

とっても楽しい一日のはじまりの合図のよう

「ん?琉依、何笑っての?」

「いえ、ただ・・・」

                  ――

「ただ?」

「・・・やっぱり、秘密です」

「えー、何でー」

「何でもです」

本当は

怖くなってしまった

言葉に出してしまえば

すべてが終わってしまうような

そんな気がして、いえなかった・・・



            『しあわせ』の四文字を・・・


「琉依・・・」

「楽しいなぁ〜と、思っただけですよ」

今、蓮音ちゃんの表情が一瞬変わった気がした

心配をかけてしまっただろうか・・・

そればかりが気がかりだった

「ねぇ、今日は三人でどっか出掛けない?」

事を終えた守奈ちゃんがゆっくりとリビングの椅子に腰を下ろす

「いつも三人で出掛けてるじゃん」

「それは、買い物とかでしょ?そうじゃなくて、三人で遊びに行こうって言ってんの」

珍しい

守奈ちゃんがそんなこと言うのは

いつもは、蓮音ちゃんがそういう話をするのに

「そっか〜。いいかもね、今日どうせ暇だし」

「琉依も行くでしょ?」

「あ、はい」

「じゃあ、何処行こうか」

「行くとしたら、遊園地とか・・・」

気を、遣わせてしまったのだろうか・・・

私が変な態度を取ってしまったから・・・

「・・・・琉依」

「は、はい!」

突然話しかけられて、吃驚して大声を出してしまう

「大丈夫?ぼーっとしてるけど」

「は、はい。大丈夫です」

「ね、ね。琉依は何処に行きたい?今出てるのは、遊園地と動物園と水族館と、あと服とかを買おうって言ってるんだけど」

「あ、私はどこでも」

「それじゃだめ!琉依ってば、そればっかりでしょ!?」

「どこでもいいんだよ。他に行きたい所があれば言えばいいし、今更遠慮なんてしないの」

「・・・えっと、じゃあ・・・」





「琉依はやっぱりここかぁ」

あたし達が来たのは、すぐ近くにある水族館

琉依はいつもここに来たがる

魚とかが好きって言うよりも・・・

「〜から○回目の上映を開始します・・・。プラネタリウムをご覧になられます方は・・・」

そう、プラネタリウム

ここの水族館は、別館でプラネタリウムの上映もやっている

殆どはこのプラネタリウムをみるために、水族館に来る

「ごめんなさい。毎回同じところで」

あたしのさっきの言葉を気にしてしまったのだろうか、ペコリと頭を下げてくる

「いいのよ、琉依。蓮音の言うことなんか気にしなくても・・・。私たちがどこでもいいよって言ったんだから」

すぐに守奈がカバーした

「ごめんごめん、さっきのは別に深い意味はないから。ただ、琉依らしいなぁと思っただけだよ。来たく無いって意味じゃないから、気にしないで」

「はい。ありがとうございます」

琉依はニコっと笑った

この笑顔が可愛いんだよな〜

そんな事を思っていると、いよいよ上映の開始

琉依はとても嬉しそうな顔をしていた

何でも琉依がプラネタリウムを見たがる理由は「あんなふうに周りが真っ暗で、星がキラキラしているのを見るのが好き」なんだそうだ

本当に琉依らしい

上映が終わり、外に出てふと琉依の顔を見るとなんだか顔色が悪い気がした

「琉依、大丈夫?顔色、悪いよ」

「はい。私は大丈夫なんです、が・・・っ」

そういいながらも、琉依は頭を押さえながらその場に膝をついた

「「琉依!」」

あたしと守奈は琉依の両側に回る

「大丈夫、琉依」

「あんた、熱でもあるんじゃないの?!」

そう言ってあたしが額に触ろうとしたとき

「っ!」

バチっと音を立てて、何か、に腕をはじかれた

「蓮音!」

守奈がそう叫んだ途端

あたりは光に包まれて、あたし達は一瞬目を瞑った

光が治まったかと思い、そっと目を開けると

「な、何これ・・・」

「人が・・・」

そこにいたのは”あたし達だけ”

近くにいたカップルも、風船を持った女の人も、子供連れの家族も・・・

皆が消えていた

そのかわり、所々建物が壊れていて来たときの綺麗な原型は留めていなかった

まるで、何かの襲撃にでもあったように・・・

「あの襲撃の中、無傷でいるとは・・・。流石だな」

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