ノベルる

Secret classroom〜僕等の五日間戦争〜 プロローグ

ムメイ作
8月が終わった東京。
ヒートアイランドがどうのこうのをついこのあいだ国語で勉強したのだがなるほど、8月が終わってもこの気温は危ない。
夏休みという中学生の僕らの史上最高の楽園期間はそのまま夢のように終わり、勉強という地獄と部活という悪魔のダブルパンチを見事に食らうことになった。
あのまま小学生のときを繰り返せばどれほど楽だったことか。

「おい!栗原!さっさと走れ!!」
眼鏡をかけた強面の先生が怒鳴る。僕はうつむいていた顔を上げて
「はい!今行きます!」
と滅多に出さない大声をあげてグランドを走りに行く。
本当に面倒くさい。勉強も夏休みの宿題をやらなかった分「ヒステリークイーン」という不名誉な称号を掲げた僕のクラスの先生に補習という牢獄にいれられるしこの9月は一生忘れない月となりそうだ。
「なんだよ栗坊。もうばてたのか」
「お前本当にスタミナないよなぁ。無理してテニス部なんて入る必要なかったんじゃないの?」
同じ学年の奴らがグダグダ言って来る。そのとおりですでに首をあげるのもままならない。
テニス部に入ったのだって少しは体力つけるためだっていうのに、これじゃ骨折り損だ。
「うるせぇなぁ。さっさと前走れよ。俺のこと言ってないでさ」
「言われなくてもそうするよ。下校時間までには走り終わればいいな」
そんな捨てセリフをはいて前を走っていった。本当にウザい奴らだ。
そもそも9月にはいったというのにこの暑さはなんだ。汗がとまらない。前がぼやけてきたし微妙に美しい楽園も見える。ベタだが本当だ。本当だがベタだ。

「ジャジャーーーーーーーーン」

校舎の三階から吹奏楽部の演奏が聞こえた
「いいよなぁ。文化部は楽でさぁ」
僕らしい独り言をいいながら僕はまた足をうごかした
その瞬間僕は目の前が真っ暗になり、汗を異様に噴きだしながら倒れていった。日射病だ。
そして倒れていまごろなんだが僕の名前は「栗原 和(くりはら なごみ)」。坊主じゃなくてどちらかというと髪は長いのにあだ名は「栗坊」。苦手なものは運動。得意なことはいたずら。勉強はそこそこだけど嫌い。この金王中学校(きんのうちゅうがっこう)という最近悪魔の城のように見える(僕視線)中学校の一年生だ。
こんな平凡な僕のこの嫌いだった9月がもっと嫌いになったようで楽しくなったようで微妙な月になる。

これは僕と友達(自称)の9月のうちのたった5日間の戦いの記録である。

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