ノベルる

Secret classroom〜僕等の五日間戦争〜 一章

ムメイ作
目を覚ます
まるで太陽が殺人鬼にでも目覚めたのではないかと思った日光から一転
天使の微笑みのようなヒカリ・・・っと言っても蛍光灯のヒカリが僕の目の前の先にあった。
起き上がる。すでにあたりは暗い。泥だらけになった野球部もテニス部も見当たらない。皆帰ったようだ
「・・・・・・・・」
うれしいような無駄になったような・・・っと考えてもやはりうれしい
太陽が殺人鬼に目覚めるのはゴメンだがこのくらいのいたずらっ子なら僕てきにはOKだ。実際そういうのがタイプだ。
まるで飼い主により小屋をガタンと揺らされたハムスターのようにキョトンとしてベッドに座っていた僕は頭を掻きながら帰ろうか迷っていた。
時計を見る『18:00』を回っている。
その時気付いたのは「芸能人オールスターカラオケベスト100!完全生放送」の放送時刻が18:30からということだ。
うっかりにもビデオ予約を忘れたことに気付いた僕はベッドの横にあったバッグから制服を引きずり出しせっせと着替え始める。走ったら間に合うだろうか。
ガラララとトビラが開く。
前の回でいったとおり9月でも残暑はきつい。だから僕はつねに制服の下はシャツを着ていない。いわば上半身は裸だ。
そして僕は今まさに体操服をぬいで顔までもってているところだった。
この学校の保険の先生は「ラピュタ」ででてくる名前は忘れたが「女のおばあさん盗賊」のような顔をしており、確実に50は越えているくせにキティちゃんが好きな怒りやすい「保健室の魔女」と呼ばれている人だ。
そんな人に上半身裸をみられたら見知らぬUFOに乗せられても不自然ではない。
こんな運動もできないちょっと筋肉ついてる微妙な体系は洞窟の中で居座っている緑のへんな巨大生物でも食べませんよ!と大声をはりあげるために息を吸い準備をしていると

そこにいたのは魔女なんかではなく魔法お姉さんみたいな人がいた。

「あら。悪かったかしら?」
何が悪いのか、一人で上半身裸になってやることは何だ?筋トレくらいしかなく何もできない。ここに中学一年の女子がいたら別だ。それはそれで「ナニ」すると思われてしまうから御免被るが。
とは言いまさかここで「遠藤先生」にあうとは思いもしなかった。
遠藤先生とは入学式で僕達と一緒に入ってきた新任の先生だ。
頭もよくスタイルもよく声もよく性格も良くなにしろ顔ときたら女子からはまるで王子を独り占めしているシンデレラを見るような目で見られるほどの美形だ。担当は保健体育。いやはやジャージ姿もお似合いで。
「いやいや。そんなことないですよ」
僕はあわてて制服をきる
「皆笑ってたのよ 栗坊ダメだなぁ って」
あいつら絶対殴る
「でもね?皆私がおぶると「僕が運びます!」て焦るのよ。やっぱり友達思いね」
んなわけない。きっと僕が先生の暖かい背中で眠るのが気に食わなかったのだろう。そこらで仮病版日射病とかしている人はいませんでしたか?
「ふふ、そんな人いないわよ。皆真面目だものね」
どうだか。し忘れただけかもしれませんよ。
僕はズボンをはいてバッグをかつぐ
よろりとなる。立ちくらみだ。
「大丈夫!?」
「いえ・・・大丈夫ですよ」
手を握ろうとしたがこれ以上男子生徒に敵を作ったら僕はいつか帰り道でスタンガンの餌食になってしまう。
怪我をした小鳥をそっと手のひらにのせたときのように見てくる先生の目を直視しないように起き上がる
「僕そろそろ・・・ほら今日18:30から芸能人のカラオケ番組が・・・」
「あなたも見るの?奇遇ね」
うれしい奇遇がこの世にあるのかと思った瞬間だ。
大学を出たばかりであろう20代の先生と約7歳差もある僕がここまで気があうのか。
そういえば僕のお祖母さんはお祖父さんと8歳差らしいな。これなら結婚可能じゃないか?
なんて妄想を広げていたらコトと前で音がした。
ベッドにもたれかかりニヤニヤしていた僕の前でおぼんをもりお茶を置いていた。
「よかったらどうぞ」
僕はそっとお茶をもちすする。
「おいしい?」
不味いとはいえるわけがない。バチどころではなくそのまま地面に穴があいて地獄におとされる発言だ。
「おいしいですよ」
と普通に返す。冗談ではなくて本当においしかった。
「部活がんばってるね 応援してるよ!」
とガッツポーズも見せてくれた。いやはやそれだけで3日間は全力疾走できる。
そのあと僕は友達のことを愚痴ったりして、まるで早口言葉を失敗しすぎて何回もやらされるニュースキャスター中心のバラエティ番組のように延々と話した。
そのあと学校を出て全力疾走をするもやはり3日間どころか3分ももたず
ヘロヘロで帰ってきたときは好きな歌手のカラオケ曲もおわっており。保護者代わりの姉に長州ばりのラリアットを食らうことは分かっていた。

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