ノベルる

殺し役はあなたです

橋本 種
LESSON @

「―――あなたが、ここにいる全員殺してください。」

  クラス全員がざわめく。「どういうこと?」、「は?」と、意味が理解できないようだ、無論自分も。
「皆を殺せ」と言ったその人は姿かたち、性別さえ分からないのだ・・・。
   そんな中・・・もしもあなたは「皆をあなたが殺してください」そういわれたあなたは、どうしますか?
・・きっと反抗するでしょうね、2年間も一緒にいた、クラスメイトを殺す事なんて出来やしない。
  しかし、命令してきた人は色々な手口を使って指名した人に「皆を殺せと」言ってくる・・。
   「さぁ、どうします・・?」

考える時間は40分・・。
ゲームが始まる時間は午後12時、スタート。
答えない場合は・・・
          「――――あなたが死にますよ・・・。」


  私は、近藤 美紀。

これから話す事は、2年前に起こった出来事です。

  あの事件が始まったのは宿泊学習で北海道に行った時の話。
これから、殺しが始まるとも知らずに美紀達は元気よくその日を迎えた。
宿泊学習・・一日目が終わるまであと一時間・・・。美紀たちは、寝る時間がとっくに過ぎているというのにホテルの部屋でくつろいでいた。
  すると、「二年B組み、直ちにロビーまで集合してください・・」という、放送が入った。
  「何だろう?」と美紀達は思ったが部屋にいた美紀達はロビーへと向かった。
  部屋を出た瞬間、美紀は思った・・。
「やけに・・静かじゃない・?」
美紀がブツリと喋ると、美紀の友人、今野利奈が言った。
「皆、寝てるんじゃないの・・?とりあえず、早く行こうよ!!」
その言葉で、美紀達はロビーへと向かった。

  ロビーに行くと、まだ、10人くらいしかロビーに集まっていなかった。それもそうだろう、もう11時だ。たいていの人ならば熟睡しているはずだ。
  10分ぐらい待っただろうか?2−B組はほとんど集まっていた。来ていないのは・・・男子の早川翔と佐藤健太、女子の佐屋亜里沙、山北薫この四人だ。
  「四人以外、集まったでしょうか?では、君達がなぜここに呼ばれたのか説明をしよう。」 
と、さっきと同じ人の声の放送が入った。
  私は、フトこう思った。なぜ、四人だけ来ていないのか分かる?監視カメラで見ていたとしても全員呼んだんだ・・分かるはず・・。
  しかし、美紀は声には出さずただただ話を続ける放送を聞いていた。
  「今、このホテルにはあなた方だけしかいません。」
それを聞くと、クラス28人がざわつく。
「君たちには今ここで、とっても面白いゲームをしてもらうんです。ルールは簡単、今、私が指名してもらう人に殺されてもらいます。」
  「はぁ・・?意味わかんねぇよ!!殺すれる?!まったく、冗談にもほどがあるぜ!!!」
そう、怒鳴ったのは学年で一番の問題児山崎 光平だ。その後に続くように女子の春原桂子が言う。
「そうよ!!だいたい、殺しなんかしたら犯罪じゃない。」
それに答えるように放送がかかった。
「今、左上にテレビがあるね?そこに君たちのよく知る人たちがテレビに写っているからそれを見てよく考えるんだよ?」
そういってプチといって放送が切れた。
  10秒もしないうちにテレビがつくと生中継でアナウンサーが報道しているニュースが入った。
「こんなのがなによ!!ただのニュースじゃない!!!」
春原桂子が言うとすかさず委員長の加藤杏奈が注意した。
「静かに!!向こうはこれを見ろといっ・・」
まだ、喋っているそのときだった。
テレビの向こうで銃声がした。するとすぐに、悲鳴が聞こえた。
「立てこもり事件だ・・・。」
美紀が言うと、利奈が言った。
「・・で、でもだれが?」
  テレビを見る限り、まだ立てこもり事件としか分からない。
アナウンサーも「今、銃声がしました!悲鳴も聞こえます!人質に取られている人は大丈夫なのでしょうか?!!」
そこまでやると、テレビは消えてまた、放送が流れた。
「さぁ、どうする?立てこもっている犯人は実は私たちの仲間でね・・。君たちのとても大切な人たちが人質にされているよ。」
美紀が言った。
「大切な人って・・今来ていない四人のこと?」
「ぁあ、そうか。君はもう失ってしまったんだもんね。幼い頃に。」
美紀は、その言葉で誰が人質になったかすぐ分かった。
逆に、クラスの皆はまだ誰が人質になっているか分からない。「ねぇ、どういうこと?失ったて・・。」利奈が聞くが美紀はその質問には答えないで犯人に向かって公怒鳴った。
「どうしてこんな事するのよ!!!絶対にしちゃだめよ!!!お願い・・私と同じにするのは・・やめて!!!」
犯人が楽しげにこういった。
「あ、そうだ、今そこにいない四人もそうだよ」
そういうと、またテレビがついた。
「・・・・!!!!」
そこには、泣きじゃくっている佐屋亜里沙と山北薫がいた。
縛られていて口をガムテープで喋れなくしている。
「なんてことしてんのよ!!!!」
加藤杏奈が言った。
「ははは、どうだい?残りの2人は別のところでもっと苦しい思いをしているよ。その映像はまだもうちょっと先ね。で・・どうす?ゲームをする気になった?」
クラス全員が静かになった、ただお互いの顔を見てどうするか迷っているのだ。
クラス四人の命と、自分達のよく知っている人物の命がかかっている。
  すると、美紀が言った。
「・・わかった、分かったから。詳しく話して。」
「な、何を言ってるの?!!近藤さん!」
春原桂子が言う。
犯人はこういった。
「ほう、ずいぶんと賢い子じゃないか。じゃぁ、早速皆を殺してもらう人を言うね・・・よく聞くんだよ。」
犯人がそういう中、クラスはパニくっていた。
「どうして?殺されるんだよ?!!私たち!」、「頭狂ってんだろ!!」など、美紀に向かっていっている。
「静かにしてよ!!!あの四人が死んでもいいの?!ほら、見てみなよ・・2人の後ろ・・。」
テレビに映ってる2人を指差しこう続けた。
「見て、2人の後ろ。爆弾よ、あれ・・。」
美紀の言うととうり、縛られている2人の後ろには20センチぐらいの長方形型の爆弾が仕掛けてあった。
「これはまた、鋭い事。彼女の言うとうりそれは爆弾。もし、君たちがこの場でNOと答えていたら爆発していたからね・・。」
犯人が言うと美紀はこういった。
「早く、早く話を続けて・・。誰が、皆を殺すの・・・?」
「そうだね・・・最初は君にしようと思ったんだけど・・やめたよ。どちらにしようか迷ってたほうにするね。」


「今野利奈さん、あなたが、ここにいる全員殺してください。考える時間は少ないですよ・・?12時になったら答えを聞かせてください。さぁ、どうします?」
  自分が皆を殺せ。と言われた本人はどうしていいのか分からず床にペタっと座り込んだ。
「答えない、もしくは断った時・・あなたが死にますよ・・・。」


考える時間は40分・・・。
ゲームが始まる時間は午後12時、スタート。
答えない場合は・・・
         
          今野利奈が死す・・・・。

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