探偵冒険記[第2章]
みく作
[第2章]
ー 神を信じる者 ー
俊とエミリアが町についたころにはすでに、真っ暗になっていたので宿屋で泊まることにした。
俊がたまたま見つけたからいいものの、見つからなかったら野宿を間逃れなかっただろう。
宿屋のお兄さんに聞いたところ、この町はソアイというらしい。
見た感じでは、大きな店はないものの、たくさん人がいる。
とてもにぎやかな町だ。
僕はエミリアのことを何も知らない。
”何故、僕について来たのか”の理由も聞いたが、あまり納得できなかった。
『小学校なんて、行っても楽しくないよ。俊お兄ちゃんといるほうが楽しそう。』
迷わずエミリアはそう言ったのだから、学校はつまらないのだろう。
じゃあ、何故つまらなかったのだろうか?
本当にそれだけの理由なのだろうか?
「学校に行ってもつまらないのは何故ですか?」
俊は思っていたことを素直に言ってみた。
すると、エミリアは急に表情を変える。
「もう、いいじゃん。そんなこと。早くご飯食べよう!もう、お腹が空いて死にそうだよ。もしかして、外食?」
「はい。何が食べたいですか?」
明るいエミリアに流される俊。
流されるというより、身を引いたと言うべきであろうか....
「パフェ!!」
「あの、メインのほうを聞きたいのですが...。」
頬膨らませるエミリア。
大きな飴が4個ぐらい入りそうな大きさだった。
「メインは...、オムライス!」
っと、エミリアは手を上げて言った。
当てたつもりはないのだが...。
まぁ、そこは気にしないでおこう。
「では、出かけましょうか。」
「うん。」
エミリアはまた笑った。
ご飯を食べた二人は、町を歩いていた。
観光みたいな気分である。
歩いていると、何か聞こえてきた。
「募金お願いします!」
っという少年の声である。
そして、その少年の募金箱におばあさんがお金を入れた。
「ありがとうございます!あなたに神のご加護がありますように...。」
十字架のブローチを渡しながらその少年は言った。
募金したら、ブローチがもらえる?
そんな虫のいい話があるだろうか...。
とか思うだろうけれど、あれは何かに糸で巻きつけただけのものだった。
「白い服...、宗教団体ですかね?エミリアは神をがいると思いますか?」
っと、俊はエミリアに聞く。
エミリアは浮かない表情をしていた。
「さぁ?そうなんじゃないの?」
とても冷たい口調のエミリア。
急にどうしたのだろうか?
疲れて、眠たくなったのだろうか?
何故か気まずくなって、俊はまた彼のほうを向いた。
「僕は、神など存在しないと思います。
動物からすれば僕たち人間が、神のように見えるのと同じではありませんか?
ただ、それにすがりたいという人間たちがつくった空想の人物なのです。
つまり、僕たち人間はとても弱い生き物ということです。
神に祈る時間もついやすお金も、すべて無駄というべきでしょうか。」
俊は、”神”を信じてはいないー
彼は募金箱を持ったまま、俊の方へと近づいて来る。
声が聞こえたのだろうか...。
すると、エミリアが急にどこかへ歩き出した。
早歩きだったため、俊はすぐに追いつく。
「どうしたんです?」
「別に...。」
何か様子がおかしい。
だけど、何故かはわからない。
「あの少年と知り合いですか?」
「知らない。」
余計わからなくなった。
他人の気持ちを理解するのはなかなか難しい。
すべてを理解することは誰にもできないからだ。
それは、誰でも知っている現実であり、事実である。
エミリアが向かったのは、宿屋だった。
今日はもう遅いので、二人は眠りに着く。
目が覚めると、そこには少女の姿がなかった。
隣のベッドで寝ていたはずの少女。
少女、エミリアはいったいどこへ行ったのだろうか?
俊は、宿屋を出る。
エミリアを探すためだ。
昨日のことが引っかかっていたから、余計に心配している。
そんな中、またあそこを通ることになった。
あそことは、白い服を着た少年が募金を集めているところである。
エミリアの居なくなったのはあの少年が関係しているのだろう。
少年をみて表情を変えたのだから。
少年のいた場所には、たくさん人が集まっている。
様子がおかしい。
何かあったのだろうか?
こんなに大勢の人が集まるなんて...。
「おい、こらぁ!聞いてんのか?あ゛?」
「だから、違うっていってるじゃないですか!変な言いがかりしないでください。あの方がそんなことをするはずがありません。」
「言うと思ったぜ。」
っと、少年に怒鳴っていた男性がポケットから何かを取り出した。
それは一枚の写真。
「ほら。」
それをみた少年が驚く。
「そ...そんなはずは...。」
その時、大勢の子供たちと大人一人がやってきた。
子供は10人ぐらいである。
「私がどうかしましたか?」
「あんたが子供を誘拐してんのを見たんだよ。この写真見てみな!」
大人の人がその写真をみた。
そして、やはりその大人も驚く。
「私はこのようなことをしていません!」
俊は人を掻き分けて少年の下へ行く。
俊は、大人の人が持っていた写真をスッっと取り上げた。
写真に移っていたのは、”あの方”と呼ばれていた大人の人と、少女。さっき来た、子供の中に少女はいないようだ。
場所は、コンビニの前。
そして、店の中に人は移っていない。
「これは、合成ですね。」
迷いもなく、俊はそう言った。
その言葉に、怒鳴りこんできた男がまた怒る。
「はぁ?そんなわけねぇよ。だってよ、俺が撮ったんだぜ?」
その怒鳴り込んできた男は、赤く髪を染めて耳にたくさん穴を開け、ピアスをしていた。
この町は、ほとんどの人が灰色の髪をしている。
おそらく、この少年は染めたのだろう。
なぜならば、すこし違和感があったからだ。
「では、何故コンビにの前で誘拐したのでしょうか。
この写真は、少女を強引に連れて行こうとしています。何故、人の多いところで?」
「知るかよ!んなもん。」
赤い髪の男は、ツンと口を尖らせた。
それを見て、にやりと俊は微笑む。
「おかしいですよね。誘拐するならば、このような人の通るところはさけるはず。
店の前とは、大胆すぎます。それに、この写真には日付がありません。
なので、誘拐した証拠にはなりませんよ。
おそらく、コンピュータを使って印刷したのでしょう。
自分で印刷するさいには、自分で日にちを入力しなくてはいけないですから。
それともう一つ、誘拐した証拠ではなく、誘拐していないという証拠ならあります。
このコンビニに、防犯カメラがついているはずですから。扉に、そのようなシールが張ってありますしね。」
俊は推理をし終わると、赤い髪の男をじっとみた。
そして、最後に言う。
「僕の推理があっているかわかりません。ですから、一緒にコンビニへ行きませんか?」
赤い髪の男はその言葉を聞いて、急いで走り出した。
行く宛てでもあるのだろうか?
まぁ、無実だとわかったのだから、良いとしよう。
ところで問題は、エミリアのことである。
俊は、少年に尋ねてみた。
「あの、ピンクの髪をした少女を見かけませんでしたか?」
「エミリアのこと?」
「あ、はい!そうです。」
何故、エミリアを知っていたかって?
それは、少年に案内してもらえばわかるはず。
俊はずっと、レイとエミリアのことを不思議に思っていた。
『目や髪の色も、顔も性格も違う。本当に姉妹なのか?』っと...。
少年についていくと、ある場所にたどり着いた。
とても大きな噴水。
その後ろにあるのは、大きな白い建物。
その時、ようやく俊はわかった。
ここが、協会なのだと。
そしてその中からエミリアがでてきたが、俊は驚かなかった。
エミリアが何故、俊についてきたのかわかったからである。
「ごめんなさい。急に出て行って...。」
「ここに来たかったんですね?エミリアは、ここで育てられた。そうですね?」
「うん。何でわかったの?」
「レイさんと全く似ていなかった。そして、少年がエミリアのことを知っていた。
少年は募金をしていた。教会に寄付。それでわかったんですよ。」
俊の感の鋭さに、誰もが驚いた。
エミリアは、レイさんのいた町で生まれた。
だが、この町で捨てられて拾って育ててくれたのがこの教会。
という、俊の推測。
それがあたっているのだから、すごいものだ。
「エミリア。ここにずっといてくれるよな?」
少年が優しく聞いた。
言葉につまるエミリア。
そして、エミリアは俊のほうを向く。
俊はやさしく微笑んだ。
それを見たエミリアは、元気よく少年に言う。
「うん!」
こうして、エミリアとの旅が終わった。
エミリアは、協会で過ごすことになる。
俊は次の町へ向かうことにした。
「ありがとう!俊お兄ちゃん、バイバーイ。」
エミリアは明るく大きなで言った。
やさしく微笑みながら、俊は手を振ってその場を後にする。
後からわかったことだが、あの教会で変な言いがかりをされていた理由がわかった。
脅して、お金を取るつもりだったらしい。
警察には内緒にしてやると言う意味だ。
だが、人が集まってきたので赤い髪の男は焦ったらしい。
写真の背景を適当に選んだ男だ。
そして、その男はもう協会の前には姿を現さなかったそうな...。
ー 神を信じる者 ー
俊とエミリアが町についたころにはすでに、真っ暗になっていたので宿屋で泊まることにした。
俊がたまたま見つけたからいいものの、見つからなかったら野宿を間逃れなかっただろう。
宿屋のお兄さんに聞いたところ、この町はソアイというらしい。
見た感じでは、大きな店はないものの、たくさん人がいる。
とてもにぎやかな町だ。
僕はエミリアのことを何も知らない。
”何故、僕について来たのか”の理由も聞いたが、あまり納得できなかった。
『小学校なんて、行っても楽しくないよ。俊お兄ちゃんといるほうが楽しそう。』
迷わずエミリアはそう言ったのだから、学校はつまらないのだろう。
じゃあ、何故つまらなかったのだろうか?
本当にそれだけの理由なのだろうか?
「学校に行ってもつまらないのは何故ですか?」
俊は思っていたことを素直に言ってみた。
すると、エミリアは急に表情を変える。
「もう、いいじゃん。そんなこと。早くご飯食べよう!もう、お腹が空いて死にそうだよ。もしかして、外食?」
「はい。何が食べたいですか?」
明るいエミリアに流される俊。
流されるというより、身を引いたと言うべきであろうか....
「パフェ!!」
「あの、メインのほうを聞きたいのですが...。」
頬膨らませるエミリア。
大きな飴が4個ぐらい入りそうな大きさだった。
「メインは...、オムライス!」
っと、エミリアは手を上げて言った。
当てたつもりはないのだが...。
まぁ、そこは気にしないでおこう。
「では、出かけましょうか。」
「うん。」
エミリアはまた笑った。
ご飯を食べた二人は、町を歩いていた。
観光みたいな気分である。
歩いていると、何か聞こえてきた。
「募金お願いします!」
っという少年の声である。
そして、その少年の募金箱におばあさんがお金を入れた。
「ありがとうございます!あなたに神のご加護がありますように...。」
十字架のブローチを渡しながらその少年は言った。
募金したら、ブローチがもらえる?
そんな虫のいい話があるだろうか...。
とか思うだろうけれど、あれは何かに糸で巻きつけただけのものだった。
「白い服...、宗教団体ですかね?エミリアは神をがいると思いますか?」
っと、俊はエミリアに聞く。
エミリアは浮かない表情をしていた。
「さぁ?そうなんじゃないの?」
とても冷たい口調のエミリア。
急にどうしたのだろうか?
疲れて、眠たくなったのだろうか?
何故か気まずくなって、俊はまた彼のほうを向いた。
「僕は、神など存在しないと思います。
動物からすれば僕たち人間が、神のように見えるのと同じではありませんか?
ただ、それにすがりたいという人間たちがつくった空想の人物なのです。
つまり、僕たち人間はとても弱い生き物ということです。
神に祈る時間もついやすお金も、すべて無駄というべきでしょうか。」
俊は、”神”を信じてはいないー
彼は募金箱を持ったまま、俊の方へと近づいて来る。
声が聞こえたのだろうか...。
すると、エミリアが急にどこかへ歩き出した。
早歩きだったため、俊はすぐに追いつく。
「どうしたんです?」
「別に...。」
何か様子がおかしい。
だけど、何故かはわからない。
「あの少年と知り合いですか?」
「知らない。」
余計わからなくなった。
他人の気持ちを理解するのはなかなか難しい。
すべてを理解することは誰にもできないからだ。
それは、誰でも知っている現実であり、事実である。
エミリアが向かったのは、宿屋だった。
今日はもう遅いので、二人は眠りに着く。
目が覚めると、そこには少女の姿がなかった。
隣のベッドで寝ていたはずの少女。
少女、エミリアはいったいどこへ行ったのだろうか?
俊は、宿屋を出る。
エミリアを探すためだ。
昨日のことが引っかかっていたから、余計に心配している。
そんな中、またあそこを通ることになった。
あそことは、白い服を着た少年が募金を集めているところである。
エミリアの居なくなったのはあの少年が関係しているのだろう。
少年をみて表情を変えたのだから。
少年のいた場所には、たくさん人が集まっている。
様子がおかしい。
何かあったのだろうか?
こんなに大勢の人が集まるなんて...。
「おい、こらぁ!聞いてんのか?あ゛?」
「だから、違うっていってるじゃないですか!変な言いがかりしないでください。あの方がそんなことをするはずがありません。」
「言うと思ったぜ。」
っと、少年に怒鳴っていた男性がポケットから何かを取り出した。
それは一枚の写真。
「ほら。」
それをみた少年が驚く。
「そ...そんなはずは...。」
その時、大勢の子供たちと大人一人がやってきた。
子供は10人ぐらいである。
「私がどうかしましたか?」
「あんたが子供を誘拐してんのを見たんだよ。この写真見てみな!」
大人の人がその写真をみた。
そして、やはりその大人も驚く。
「私はこのようなことをしていません!」
俊は人を掻き分けて少年の下へ行く。
俊は、大人の人が持っていた写真をスッっと取り上げた。
写真に移っていたのは、”あの方”と呼ばれていた大人の人と、少女。さっき来た、子供の中に少女はいないようだ。
場所は、コンビニの前。
そして、店の中に人は移っていない。
「これは、合成ですね。」
迷いもなく、俊はそう言った。
その言葉に、怒鳴りこんできた男がまた怒る。
「はぁ?そんなわけねぇよ。だってよ、俺が撮ったんだぜ?」
その怒鳴り込んできた男は、赤く髪を染めて耳にたくさん穴を開け、ピアスをしていた。
この町は、ほとんどの人が灰色の髪をしている。
おそらく、この少年は染めたのだろう。
なぜならば、すこし違和感があったからだ。
「では、何故コンビにの前で誘拐したのでしょうか。
この写真は、少女を強引に連れて行こうとしています。何故、人の多いところで?」
「知るかよ!んなもん。」
赤い髪の男は、ツンと口を尖らせた。
それを見て、にやりと俊は微笑む。
「おかしいですよね。誘拐するならば、このような人の通るところはさけるはず。
店の前とは、大胆すぎます。それに、この写真には日付がありません。
なので、誘拐した証拠にはなりませんよ。
おそらく、コンピュータを使って印刷したのでしょう。
自分で印刷するさいには、自分で日にちを入力しなくてはいけないですから。
それともう一つ、誘拐した証拠ではなく、誘拐していないという証拠ならあります。
このコンビニに、防犯カメラがついているはずですから。扉に、そのようなシールが張ってありますしね。」
俊は推理をし終わると、赤い髪の男をじっとみた。
そして、最後に言う。
「僕の推理があっているかわかりません。ですから、一緒にコンビニへ行きませんか?」
赤い髪の男はその言葉を聞いて、急いで走り出した。
行く宛てでもあるのだろうか?
まぁ、無実だとわかったのだから、良いとしよう。
ところで問題は、エミリアのことである。
俊は、少年に尋ねてみた。
「あの、ピンクの髪をした少女を見かけませんでしたか?」
「エミリアのこと?」
「あ、はい!そうです。」
何故、エミリアを知っていたかって?
それは、少年に案内してもらえばわかるはず。
俊はずっと、レイとエミリアのことを不思議に思っていた。
『目や髪の色も、顔も性格も違う。本当に姉妹なのか?』っと...。
少年についていくと、ある場所にたどり着いた。
とても大きな噴水。
その後ろにあるのは、大きな白い建物。
その時、ようやく俊はわかった。
ここが、協会なのだと。
そしてその中からエミリアがでてきたが、俊は驚かなかった。
エミリアが何故、俊についてきたのかわかったからである。
「ごめんなさい。急に出て行って...。」
「ここに来たかったんですね?エミリアは、ここで育てられた。そうですね?」
「うん。何でわかったの?」
「レイさんと全く似ていなかった。そして、少年がエミリアのことを知っていた。
少年は募金をしていた。教会に寄付。それでわかったんですよ。」
俊の感の鋭さに、誰もが驚いた。
エミリアは、レイさんのいた町で生まれた。
だが、この町で捨てられて拾って育ててくれたのがこの教会。
という、俊の推測。
それがあたっているのだから、すごいものだ。
「エミリア。ここにずっといてくれるよな?」
少年が優しく聞いた。
言葉につまるエミリア。
そして、エミリアは俊のほうを向く。
俊はやさしく微笑んだ。
それを見たエミリアは、元気よく少年に言う。
「うん!」
こうして、エミリアとの旅が終わった。
エミリアは、協会で過ごすことになる。
俊は次の町へ向かうことにした。
「ありがとう!俊お兄ちゃん、バイバーイ。」
エミリアは明るく大きなで言った。
やさしく微笑みながら、俊は手を振ってその場を後にする。
後からわかったことだが、あの教会で変な言いがかりをされていた理由がわかった。
脅して、お金を取るつもりだったらしい。
警察には内緒にしてやると言う意味だ。
だが、人が集まってきたので赤い髪の男は焦ったらしい。
写真の背景を適当に選んだ男だ。
そして、その男はもう協会の前には姿を現さなかったそうな...。